Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー塚本舞 - "まいぷに"こと塚本舞!

“まいぷに”こと塚本舞!

2019.04.03

 "これから"のハナシはもちろん。子供時代の"あの頃"から、大人の"今"までに考えてきたこと。夏の魔物での音楽活動や、グラビアの活動などなど...。たくさんの道を通ってきたからこその、ハツラツした女性像を知ることができました。キーワードは、「音楽」と「女性」! 次回の「まいぷにすとの集いVol.5」は、アーバンギャルド・松永天馬さんを迎えての、"作詞"トークイベント? 最後まで必読です![interview:日野弘美・指中晶夫(Naked Loft)]

今できることをたくさん残したい!

──ソロプロジェクトが始動しますね。おめでとうございます! 気持ちに何か変化があったんですか?

塚本:フリーランスでのソロプロジェクトなので、気が引き締まります(笑)。もともと、グループをやりたい! ソロがやりたい! という気持ちがあったわけではなくて、今できることをたくさん残したいな! って思っているんです。昨年に出版した写真集は、グラビアでの表現の集大成という気持ちで挑みました。そういった気持ちを作品として残せたので、次は音楽活動で作品を残したいと思っています。

──最初の芸能デビューは3歳で子役だったと聞いて驚きました。ご両親の影響で芸能活動を始めたんですか?

塚本:私が小さい頃に「テレビの中に入りたい!」って話していたと聞いています。高校生までは、CMやファッション誌のお仕事をさせてもらっていたんです。これまでの人生のうち、学業に専念して活動を休止していた時期を除いて、17年間は事務所に所属して芸能のお仕事をさせてもらっていたことになります。フリーランスになった今、そのことを振り返ると不思議な気持ちになりますね。

──いつから音楽活動をしたいと考えていたんですか?

塚本:音楽活動を主軸にするぞ! と決めたのはメジャーデビューした2015年です。もともと、ハロー!プロジェクトさんが大好きで。私自身ずっと歌うことは好きだったんですけど、それを仕事にしていくというビジョンは持っていませんでした。でも、夏の魔物に声をかけてもらって、ステージに立ってみたら、とっても楽しかったんです。自分の歌声やパフォーマンスに感動していただいて…! こんな風に応援してくださるファンの方がいるなら、音楽活動を中心にしていきたい、と意識が変わっていきました。夏の魔物を卒業後も待っていてくださる方がたくさんいるので、もう一度、ファンの方々の声に応えて音楽活動をしたいと思います。

──ハロプロ好きは知られていて、ロフト系列でもよくトークされていますよね。ハロプロのアイドルのようになりたいと思ってアイドル活動を始めたんですか?

塚本:大きな意味で考えると、モーニング娘。さんたちのように、生きる希望を与えられる存在でいたい! という気持ちはあります。でも、アイドルグループに入りたいという憧れはなかったですね。夏の魔物がこれまでに存在したアイドルグループに似ていたら、加入していなかったと思います。

“女性像”を武器に、作詞に挑戦をする!

──作曲をお願いすることになったケンカイヨシさんについてお話しを聞かせてください!

塚本:私は、楽曲を聴いたらまず、作曲家さんや編曲家さんをチェックするタイプなんです。ケンカイさんとは、好きな編曲家さんなどが一致したことで、音楽の話に花が咲きました! 私がこういう音楽を聴いてきたんですって話すと、「これがオススメです」ってたくさん教えてくれたりして。ケンカイさんの作る楽曲やセンスに絶大な信頼があるので、今回お願いをさせていただきました。始めの頃は、作詞も外部の作家さんにお願いしようと思っていたのですが、ケンカイさんに後押ししていただいて、挑戦してみることに決めたんです。

──前回の”まいぷにすとの集い”では、プールイさんと作詞についてたくさんトークしていましたよね。作詞するのは楽しみですか?

塚本:た…たのしみです(笑)。でも、満足のいくものを作りたいと思っているので、緊張もあります。前回のイベントで、プーちゃんが言っていた「写真みたいに、一瞬を切り抜くのが作詞」という言葉には、なるほど! と思いました。

──作詞をしてみたいテーマは、ありますか?

塚本:私は、つんく♂さんの歌詞が好きなんです。そこに出てくる女の子は、みんな強くてハッピーで、そこから、人類愛や世界愛、平和を歌っていて。私も根底がハッピーな歌を歌いたいなと思っています。これまでも、まいぷにちゃんのパフォーマンスって多幸感があるよね、と言っていただけることが多かったので。そういった、聴いていて明るい気分になれる歌詞がいいですよね!

──まいぷにさんには、女性ファンの方も多いですよね。

塚本:自分でも意外でした。熱心な学生さんやOLさんたちも多いです。きっと時代が変容したことも大きく関わっているんだと思います。5年前とかは、女性の方がこんなにグラビアを許容してくれる時代が来るなんて思ってもいませんでした。当時は、水着の写真を女性が「いいね」することって少なかったと思うんです。でも、今は違います。女性であることを楽しんでいる、プライドを持って肌を見せている、ということに対して、女性が共鳴してくださって、応援してくれています。そのおかげで、今まで活動することができたんですよね。

──恋愛の歌詞を書くのが苦手って話していましたよね。

塚本:そうなんです…。執筆のお仕事もさせていただいているんですけど、音楽のレビューだったり、イベントレポートだったり、事実をしっかりと伝えるぞ! という文章を書いてきたので。恋愛や、自分の気持ちを書くっていうのは苦手かもしれないです…。

歌詞を分析する!

──作詞をするのに、小説から影響を受ける人もいますよね。最近はどんな本を読んでいますか?

塚本:そうですねぇ…。うーんと、最近はソロプロジェクトが始まったので、マーケティングや広告コミュニケーションの本ばかり読んでいます。

──そうなんですね(笑)。

塚本:でも、この間びっくりしたことがあったんです。メディア文化論の本を読んでいたら、いきなり大森靖子さんの詞が紹介されていて。そこには、大森靖子さんが歌詞に”Googleマップ”を取り入れたのは革新的だったと説明されていたんですね。あえて、その時代特有の固有名詞を使うということは、どんどん変容していくこの時代において、面白いことだと思いましたね。

──”今の時代”が反映されている歌詞に魅了されるんですか?

塚本:そうですね。その言葉が10年経って古くなってしまったとしても、曲の中にずっと残っているところが好きなんです。例えば、PRINCESS PRINCESSの「M」の中で出てくる”アドレス”だとか。あれは、アドレス帳を指していたと思うんですね。それに、松浦亜弥さんの「ドッキドキ!LOVEメール」では、当時のE-mailの雰囲気が出てきたり。そういった時代に即した歌詞を分析して、当時に思いを馳せるのが好きなんです。頭で考えすぎてしまうので、自分で書くには恥ずかしくなっちゃうのかもしれません…(笑)。

一人きりでステージに立つ

──新曲のイメージっていうのは、もう完成しているんですか?

塚本:そうですね! ケンカイさんがやることに意味があって、それでいて私にも歌う理由が生まれるような曲にしたいね、と話しているところです!

──一人でステージに立つことに不安はありますか?

塚本:全員、私しか見ていないっていうのは、すごく緊張しますね。ステージ上では、視聴率100%なので…。ハロー!プロジェクトさんのライブなどを勉強させていただいて、一人で場を盛り上げるのってどうすればいいんだろう、って悩んでいるんですよね(笑)。

──曲も一人で歌い切るんですよね。

塚本:グループで活動していた時は、歌割りがあって、いろんな人の声やバランスがあると思うんです。でも、一人で歌うとなると単調になりやすいんですよね。聴いていて、飽きられないようにするにはどうすればいいか。映像や音源にするときに、いかに魅せるかということが課題です。

芸能活動を復帰する以前のハナシ

──少し、話がズレますが。芸能の仕事をストップして大学に進学をしたことについてもお聞きしたいです。

塚本:高校時代は、あまり自分の意思が伴わずにグラビアのお仕事をしていたので…。人生の職業にしようとは考えていなかったです。それよりも、大学に行って、哲学を学びたいと思っていました。

──哲学を学びたいと思ったきっかけは何だったんですか?

塚本:中学の倫理で、ソクラテスやプラトンを学んでから自分でも本を読むようになりました。哲学的な本を読むことが好きだったんです。

──文学部の哲学科を卒業してから、芸能の仕事を復帰したんですよね。

塚本:はい。大学の友達たちが就活を始めた時に、私のやりたいことはなんだろうって真剣に考えて。自分を表現するお仕事をしている時が一番幸せだなと思い返したんですね。それで、今度は自分の意思を持って芸能のお仕事を再開しました。

──次回の”まいぷにすとの集いvol.5”は、アーバンギャルドの天馬さんがゲストとして来ますね! どんなイベントにしたいですか?

塚本:天馬さんのパーソナルな部分やルーツにとても興味があって。私は哲学科を出ていて、天馬さんは神学科ご出身なのですが、そういったところにも表現や思想のルーツがあるのかどうか。天馬さんの言葉ってすごく独特なので、作詞方法なども学びたいなと。そういった濃い部分を掘り下げるイベントにしたいです!

──最後に、今後の目標について聞かせてください!

塚本:今年はとにかく楽曲を作ったり、作品を残して、よりたくさんの方々に、遠くまで届くように頑張りたいなと思っています。よろしくお願いします!

 

LIVE INFOライブ情報

『まいぷにすとの集い vol.5〜平成最後の #てんまいぷに〜』

【出演】塚本舞
【ゲスト】松永天馬
2019年4月27日(土)
会場:Naked Loft
OPEN 12:00 / START 13:00
前売2,500円 / 当日3,000円(税込・要1オーダー500円以上)
前売はe+にて発売中‼
 
休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻