ARB、ルースターズ、アナーキー、BOOWY、スピッツなど、日本を代表する数々のバンドを輩出してきた老舗ライブハウス、新宿ロフトがこのたび音響機材の改良に着手、メインスピーカーを入れ替えることで従来の音を一新させた。
新宿ロフトがこれまで使用していたスピーカーはかさばるため、フロアの右側から舞台の上手(かみて)が見えづらいという視界の部分で大きな難点があった。それを解消すべく、なおかつ出音を従来以上に良くするために今回の決断が下された。
今回、導入されたメインスピーカーは、CODA AUDIOの「AiRAY」(3-Wayフルレンジのラインアレイ・モジュール)。
CODA AUDIOはドイツのハノーファーに本拠地を置くスピーカーメーカーで、スピーカーの最重要パーツであるドライバーの設計から始まり、ボイスコイル、トランスデューサーなど、コンポーネント一つひとつを一貫して自社工場で作製するこだわりのメーカーだ。他の有名スピーカーメーカーに比べると後進ではあるが、国内外の大規模な野外フェス、スタジアムやアリーナなどでの大型ツアー、大講堂や劇場などに音響設備を提供している。
「AiRAY」は、これまで新宿ロフトが使用していたZ-DRIVEのTOA SR-F3(Hi BOX)、TOA SR-L3(Low BOX)などと比べて見た目は非常にコンパクトながら、1キャビネットで148dBの大音量、高音圧を再現する優れたスピーカーだ。小さいながらも馬力があるため、見た目を遥かに凌ぐパワーと高品位なサウンドで大規模サラウンドをコンパクトに構築するのが特徴である。また、1キャビネットの大きさが従来型の約半分であるため、新宿ロフトのステージの両脇がそれぞれ50cmずつ広くなり、だいぶ視野が広くなった印象を受けるだろう。
ちなみに、ジェットエンジンや飛行機のエンジンの近くの騒音値が120dB、電車が通る時のガード下の騒音値が100dB、騒々しい工場の中やブルドーザーの騒音値が90dBである。
1キャビネットのサイズがW674×H356×D555mmの小さなスピーカーから、それらを上回る148dBもの大音量と高音圧が出るのだから驚きだが、音の輪郭や明瞭感、粒立ちはとてもクリア。特にハイハットの音やボーカルの抜け具合が従来とは格段の差がある。
国内最大音量が出るライブハウスとして生まれ変わった新宿ロフト。出演バンドはどこまでの音が出るのか限界まで挑戦するのもよし、オーディエンスはよりダイレクトに変化した高音質サウンドをぜひ体感していただきたい。
SPEC
MAIN
CODA AUDIO
AiRay
SC2
SC4
SIDE SP
CODA AUDIO
G712
U4
DSP搭載パワーアンプ
CODA AUDIO
LINUS SYSTEM